メキシコ生活

第1回 
メキシコの音、其の1

リエキンリエコン

 メキシコに関するエッセイだとか、コラムだとかきっと沢山 るで ろう。まして この文章力の皆無な私が、何を書こうと言うのだろう。と自分で思いつつも、始める 事にしました。なぜなら、メキシコに住んで3年目をついこの前迎え、ちょといい加 減 一杯になってる状態で、メキシコの良い所とか、好きな所とか見失いかけてたり するから。(だったら日本に帰れ、なんていう批判は重々承知のすけ。)でも未だメ キシコに住んでいるのは、どっか好きだからじゃないか。じゃ 、何が好きなのか? メキシコで何を感じるのか?メキシコにいる自分を見つめ直す為に、勝手に書かせて 頂く事にする。

 そう言いつつも、このHPは音楽のページ。だから毎回とは言えないけれど、メキ シコの音。についても書いて行きたいと思うのですよ。

 ま 、第1回目つーことで、一番私が好きなメキシコの音が る瞬間について。 音とか音楽とかって、記憶を蘇がえらせる力が強いじゃないですか。で、完全にフラッ シュバックするとかってこと、しばしば る訳で。

 メキシコに来て3年もずっといると、さすがに新鮮味とか んまなく、凄く昔の感 覚を思い出したいとかって一時期よく思ってたけれど、感覚は思い出せても、なんか それは完璧じゃない。そしたら、 る日、メキシコ人の友達とペセロ(乗り合いバス) に乗って、メキシコシティのセントロの方に行ったんです。で、最後部座席に座って、 だらーって街並みを眺めてたら、 のメキシコ臭い、異国情緒溢れる、ドキドキした、 新鮮な感覚が蘇った訳です。で、その原因は”クンビア”。

 クンビアなんて街のどこでもかかってる、メキシコの多くの家庭でかかってる音楽、 何も耳新しくない。でも、そう、ペセロの運ちゃんが一部の乗客の気持ちなんて無視 してかける、その質の悪いスピーカーから流れてくるクンビアは、インド歌謡にも通 じる、お香臭い、なんだかまさにメキシコチックな、その雰囲気、その感覚こそ、メ キシコに来た当初、既にメキシコに住んでいた友達にテピートに連れていかれたとき の光景、感覚。

 全てが物珍しく、全てが小汚く(失礼)、町中に溢れる妙な熱気と、妙な匂い。 、メキシコだよ、と妙な快感と言うか、うまく言葉にはできない感覚を初めて感じ た の瞬間の光景(その時乗ったペセロの内装、匂い、町並み、光の加減、乗客の話 声、インディヘナのおじさんの帽子とか全て)が克明に蘇った。 そして、 の新鮮味がまさしく全身を襲って、一瞬スペイン語もぶっ飛んで、まさに フラッシュバック状態。

 それはなんだかノスタルジーで、でもワクワクで。。。 メキシコに来た理由とか、意味とか、見失った物とかを取り戻す瞬間で る。

   メキシコの大半のペセロ、バスでクンビアはかかっているけれど、いつもそういう 感覚に陥る訳ではないのです。なぜだか。

 それは多分、スピーカーのせいかも知れない。選曲のせいかもしれない。ひょっと したら、込み具合や、天候、光の加減、匂いの具合そういう要素まで、全てが関わっ ているのかも知れない。で、その全ての要素のバランスがうまい具合に当時のバラン スに近い時、 の感覚に襲われるのかも知れない。

 でもキーはクンビアと、その音質に り。ってそんなことを考えつつ、 横に居た友達に言った。「やっぱクンビアはペセロで聞くのが一番だーねぇ。」

クンビア…コロンビア(だったと思う)発祥の音楽。

→ペセロで流れるクンビアを聞いてみる。